2018年12月07日

【運指表付き】テナーサックスのフラジオ音域の運指と、サイドキーを使った高音域を吹く際の注意事項! in札幌

わたしの愛用している、フラジオ音域の運指です。

基本的には、すべてオクターブキーを押さえます。
ただし、練習時にはオクターブキーを押さえない方法もとてもいい練習になります。

グレーになっているところは早い動きをするときは、押さえなくても大丈夫なところです。
全音符などの、長めの音符や、ピッチ・音色が気になるようなときに押さえるとよいようです。
flagio.png

市販本や、ネットなどで、一般に出回っている運指のなかでも、
「これ、どこで使うの?、指転ばないの?」
「書いた人、本当に使ってるの?」
「これじゃぁ、スケール吹けないじゃん!!」
・・・という、実用性を疑うような運指も図示されていたりします。


わたしの選定した、フラジオ音域の運指コンセプトについては、とても大事な根拠があります。

それは、

全部の指を開放して出すC#の音や、サイドキーを使った高音域の音などは、
楽器がとても不安定になり、アンブシャーがとても崩れやすい!ということです。

「高音域が苦手」な人にとってのウィークポイントの一つでもあります。

マウスピースを咥えたまま音が出ないように、あくびの延長の息だけを楽器に送り込み、
指だけ動かす練習方法を、ご紹介しましたが、
(フラジオの音が出ない!方は、このとき、微かに出る!?かもしれないその音・・・そのフラジオの音を捉まえるチャンスです)

高音域のとき、結構、楽器(マウスピースの部分)が、揺れ動きませんか?
アンブシャーに与える影響は、軽視できないほどに動いているはずです。

ためしに、
マウスピースを咥えないで、指だけ動かしてみてください。
かなり動いているはずです。
通常音域でさえ、かなり動いているはずです。

これを口輪筋をしっかりと鍛え、アンブシャーで、しっかりと支える!・・・では、
余計な力が入るだけで、対処療法的なやり方としか思えません。
(こういう教え方をする人が多かった。今もそうなのかな?)

この修正には、大きめの鏡を用意し、
吹奏時、各音域ごとでの、楽器の変動による、アンブシャーに与える影響を、
自分でよく観察するする必要があります。
自覚できれば、その対処法も各自、見出せるはずです。
気づかないまま・・・が一番恐ろしいことです。

これは、先生などに指摘されても、修正するのは困難です。
自己観察による発見・認識のほうが確実です。


フラジオの音って
柔らかくて、甘〜い音も出せるのです。
クラシック的なノーマルな音(これが一番難しい!?)から、
叫び泣く〜すすり泣く〜力強いうなり声・・・のように、多種多様なフラジオ・サウンドが出せるのです。

口輪筋を鍛え・・・云々は、
フラジオの音が出た後の音色表現を拡げるときや、ベンド奏法を駆使したピッチ修正する吹き方などにとっても、
最大の弊害ともなるアンブシャーでもあるのです。
これは唇周辺を絞ることで、細い穴から息を通す狙いも含まれていますので、
下唇の裏側を傷つけることにもつながったりもするのです。

こういった、アンブシャーに与える影響を、最低限抑えるために、
楽器を安定させることを第一に考え、なるべく左右の両方の手を使った、
楽器が無駄に動かない!ようにする指使いになるよう運指を選びました。
こうした観点で選定したのが上記の運指の図です。


「A」のフラジオ音は、図示した右手の運指は使わなくても出ます。
「C」も、通常音域のサイドキーを使った「highEb」の運指だけでも出せます。
・・・

しかし、口に咥えたマウスピースが左右上下に頻繁に動いてしまうため、
なるべくなら、左右の両手を使った運指を採用したほうが、バランスの良いサウンドを奏でるのには適しているハズです。
・・・もっとも高音域も上に行けば行くほどに指の開放度が顕著になるのですが・・・
そんな時は、オーバートーンの応用も時に、カッコよく決まりそうです。


よく、クラシック系のサックス奏者の書いた、フラジオ運指の解釈では、
チューナー等のピッチ測定器を使って検討された指使いを採用したケースが多いようですが、
実際には、ベンド奏法を使った方法で、ピッチをコントロールするだけで充分、修正可能だと感じています。

今、ヤマハの62を使っていますが、全く問題ありません。
ヤナギサワの880でも、特に問題なかった運指です。
バリトンでも大丈夫でした。
ピッチが悪い!?Jupiterの、おんぼろテナーでも通常音域のピッチより安定(笑)しています。

ちなみに、
Jupiterの楽器の鳴りは最高です!
880よりも、全然いい音してます。
左の小指がベルに当たる設計ミス・・さえもが、可愛いと思えるほどに、いい音の出る楽器です。
下手に「ヴィンテージもどき」を謳っている楽器よりも数段いい音がします。
(わたしの主観ですが)

ちゃんと、楽器の吹ける人のアドヴァイスを取り入れて、もっといい楽器を再構成してもらいたいな!
と、マジで思うほどです。
オーバートーンの倍音配列も、おかしな、ありえない音が出るんです。


余談ですが、ヤマハの62は、日本人の小さな手には少し不向きのようです。
海外で、人気があるようですが、彼らの手の大きさに合わせて作っている!?感じがします。
手の小さい女の子には、不向きな楽器なのかもしれません。

そういうデータも持っているハズのヤマハさん・・・
楽器の鳴り、音色、音程ともに、とても素晴らしい楽器なのですが、
タンポ・バネの劣悪品使用(ほぼ確信犯)による、いわゆるサックスでいうリコール対象品を販売している行為は悲しい話です。

のにです。

ヤマハの下請けさんも泣いている!
という話も聞きました。

本当に62は「名器の器」がある楽器なのに、本当にもったいない話です。

ここだけの秘密!
次の3つの試奏宣伝動画を聴き比べてみてください。

・・・どうです?
62だけ、リバーブが微妙に少な目な感じがしませんか?

ヤマハのテナーサックスは最低価格品でも、
腕のいいリペアマンさんがいれば、最上位機種にも負けない、いい音するんです。
音程に関しては、本当に素晴らしい設計をしているようです。

これは「内緒にしてね」と言われた話ですが、
本社ぐるみで舐めた真似をしたので、暴露しちゃいます(笑)

高額なタンポやネックに変える必要なく・・・です。
だから62は海外で人気があるようなのです。
3つの動画のアクセス数を見ても・・・ね。

あと楽器を選ぶとき、楽器屋さんの試奏室の音の反響が有るか無いかを必ずチェックしてみた方がよさそうです。
手を「パン!」と叩くだけでチェックできます。

楽器屋さんで吹いたとき、いい音していたのに、
家で吹いたら???な悲しい思いをせずに済みます。

「楽器の鳴り方〜その響き〜その音色」と「設計上ゆえの音程」だけは、
どんなに腕のいいリペアマンさんでも対処不能です。
そのあたりを、しっかりと選定する必要がありそうです。

自分の主観、吹奏感だけに頼らず、
実際に鳴っている音を、店員さんにも聴き比べてもらうのもよいかもしれません。


あとフラジオ音域の運指の状態を、まったく考えずにバランス調整するリペアマンさんがいます。
これはサックス吹きにとっては、ある意味、死活問題(笑)です。

日本で有名なリペアマンさんでも、そういう時がありました。
そのときは、その場で試奏できたから、すぐ修正してもらいましたが、
郵送等でバランス調整を行った場合は、アウト!ですよね。

その場合は、あまり多くのキーを押さえないフラジオ運指も検討しなければならないハメに陥ります。



フラジオって単語・・・、
wikiを見ると「楽器を通常でない方法で奏することにより、特定の倍音が浮き立つように発生させ・・・」
とありますが、
わたしは、テナーサックスはフルートの高音域同様に通常音域で演奏できる!
・・・こんな概念が常識化される可能性を感じています。

速いパッセージだと一苦労ですが、通常のメロディを吹くには十分に行けそうです。
図示した運指音域なら、かなりいい感じです。

アルトやソプラノだと響き的に問題があるのかもしれません・・・
(聴いていて不快感を伴うサウンドにしかならない!?)

でも、テナーなら、十分いけそうです!

熟練してくれば、
highF#キーとかも、きっと、いらない・・・いらなくなるはずです。

最近はソプラノサックスでhighG付のものもあるのですね。
音の線が細い音色が好みの方なら問題ないのでしょうが・・・。

ただし、相当量の練習が必要です。
思うように騒音に近い音をだせる練習環境がなければ、これをマスターするのは、至難の業かもしれません。
または、練習方法にも、つねに気を配る必要がありそうです。



ちなみにフラジオという呼び名は日本特有?のようです。
ネット検索するとき「Altissimo」で検索すると、いろいろ運指表やレクチャー動画が出てくるようです。
「altissimo fingerings sax」とか・・・。

人によっては、この運指表の中からもよいものが見つかるかもしれませんね。



最後に、
高音域〜フラジオ音域を、いい音にする秘訣ですが、
音が出ているとき、リードはマウスピースとの空間を、「閉じたり開いたり」を超高速で、繰り返し振動しているようです。
吹いている側としては、ほぼ密着するほどに閉じている・・・と考えたほうがよさそうです。

その閉じている状態を、息で押し拡げるイメージで、吹くのです。
リードとマウスピースの隙間をアンブシャーで狭めることなくリラックスさせ、
吹き込む息で、従来ある開きを維持するイメージです。

息のスピードは、超高速で出来るだけ遠くへ吹き飛ばす感覚です。
たとえて言えば、ホースの蛇口を、出来るだけ細く細く絞って、勢いよく遠くへ飛ばすイメージです。

アンブシャーや、口の中の状態につきましては
【図解】の記事でご紹介しています。
ご参照ください。

フラジオの音が出てからも、
さらに、いろんな音色で表現することも可能です。
唇の両サイドを軽く中央に寄せるポイントの重要性に行き着くはずです。

フラジオ音域の音色の幅を広げるための奏法の基礎的な考え方は通常音域と同じです。
詳細につきましては、過去の記事をご参照ください。

あとはパターン練習のような地道なトレーニングが、よい特効薬になるようです。
1日2日で、思う結果が現れずとも、
確実に、フラジオ音域の音質も、その精度も高まるはずです。

たとえば、
スケール・パターン集の中から、任意のあるパターンを抜き出し、
ex002.PNG

を1オクターブ上げ、
ex003.PNG

さらに、1オクターブ上げる・・
ex004.PNG

そしてまた逆に1オクターブずる下がってくる・・・

こういう練習時ほどに、
この呼吸法がとても大切になってきます。
「吸った気に」なった!?、ような、
「なんちゃって腹式」は、吹いている本人が最終的には一番悲しい思いをするに違いありません。


オーバートーンやフラジオ音域の音が出せても、
通常音域の音色が改善されるわけではありません。

オーバートーンは全音域の音色改善の相乗効果をもたらす・・・というより、
楽器全音域の鳴り方のバランスを整えるためのトレーニング方法の一つといえるでしょう。

こういう、カッコいいオーバートーンの吹き方もあります。
相当にむずかしいです^^

わたしも大好きな、
ユッコミラーさんの、あのカッコいい高音域の「ブギョー」という吹き方も、
個人差はあるかもしれませんが、コツをつかめば、むしろ簡単な部類に入る奏法のようです。

通常音域の、朗々とした、豊かな、テナーサウンドを奏でることの方が、
吹奏技術的には、はるかに、難易度が高いといえます。

生のテナーサックスの音の、最高の魅力でもあります。


posted by happy_kin at 17:33| Comment(0) | 日記
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