2018年11月28日

テナー吹き、リード奏者が身につけておきたい、音楽の構造について! in札幌

「音楽の構造」というと、むずかしく感じるかもしれませんが、
Tさんと、Sさんと、Dさんの3人の物語なんです。

もう、お分かりのことだと思いますが、
これは、トニック(T)、サブドミナント(S)、ドミナント(D)のことです。

いきなり、むずかしい? かも、しれませんが、
とっても大事な音楽の基本ともいうべき話しです。

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メジャーとかマイナーとかというキー(調性)の話しもよく聞かれると思うのですが、
わたしは、短3度下(m3)にベースの音をさげただけ!
という、少々、大雑把なとらえかたでもいいような気がします。

リード奏者的には、
ケーデンスという、いわゆる終止形のような、
ひとつの物語の「まとまり感」のようなものを理解していれば、
事足りるのではないか?
ということです。

もし、仮にマイナー・キーのケーデンスを真剣にやったら・・・
精神的にも、あまりにも暗く落ち込んだ気持ちになってしまいます。

ためしに、
ド、ミb、ソ、ラb〜ファ、ラb、ド、レb〜ソ、シ、レ、ミb〜ド♪
と吹いてみてください。。

ハーモニックマイナーというスケールから導き出した、
Tさん、Sさん、Dさんの物語ですが、
生きるのが嫌になる(笑)ような、相当に「ヤバイ!」気分になります。

お客さんも、こんなメロディ・音楽は聴きたくないはずです。


Tさん、Sさん、Dさんの一覧表を作ってみましょう。

TさんSさんDさん
TWX
CFG
AmDmEm
EmAmBdim


ハーモニック・メジャーというのもあるようです


TさんSさんDさん
TWmX
CFmG
AbaugDdimEm
EmAbaugBdim


ハーモニック・マイナーで作ると、

TさんSさんDさん
TmWmX
CmFmG
AbDdimEbaug
EbaugAbBdim


みな3和音(トライアド)で考えます。
C-F-Gの下にあるのは3度、上と下にずらした和音(コード)です。

テナー吹きの場合は、分散和音で考えます。
そのコード(和音)の構成音を土台にしてメロディラインを作っていく・・・
というスタンスです。

そこで、
ベースの音は、C-F-Gと変えずに、
Abaug Ddim Em
の分散和音を吹いてみてください。

同様に
Ebaug Ab Bdim
なども・・・。

最初はピアノなどのキーボード(できれば倍音のあるピアノが望ましい)で弾いてみるとわかりやすいと思います。
不思議な、なんかカッコいい響きがしませんか?

そこで、収拾感がつかないと思ったら、
U−Xの分散のような、ケーデンスをもとにした、フレーズを最後に吹いてみるのです。

必ずしも、横一列に進行する必要はありません。
Abaug Ab Bdimとか、
Ebaug Ddim Emのような遊び心を加えてみるのも、きっと楽しい発見があるに違いありません。

このTさん、Sさん、Dさんのファミリーですが、
dimやaugのようなコード(和音)にも置き換えることができたりもします。

CならC#dimとか、Caugのようにです。
一音を、ちょっと変化させてみる・・・ずらす!という「音遊び」の面白さでもあります。

この「ずらす」というのは、とても大事な要素のようです。
1音を加えてみる、抜いてみる・・・というような一工夫といった発想です。


T−Y−U−Xというのをよく目にすると思うのですが、
ベース(低音)が3度ずれただけで、上の音を構成するコードの音は変わっていません。

メロディ担当であるリード奏者・・・、
すなわちテナー吹きにとっては
Tさん、Sさん、Dさんの物語でしかないのです。

Cのドミソの和音の、さらに上に3度ずつ積み重ねてみてください。
すべてのダイアトニックの音が含まれてくるはずです。

完全5度上に・・・また下に、
完全4度上に・・・また下に・・・
順列すると、以前にも記事にしましたが、ペンタトニックができます。

3度ずらす「音遊び」!
・・・これが、どうも肝のようです。

そのなかの音で音程に開きがある場合、
自然につなぎ合わせる音としてスケールがある!
と、考えた方がよさそうです。

メロディ構成の核となるのは、あくまでも
「トライアド(3和音)」と「ペンタトニック」であり、
Tさん、Sさん、Dさんの3つからなる「音楽の構成」を、しっかりと把握し、テナーで自由に吹けるように練習することだと思います。

※今、トライアド(3和音)用のハノンのようなものを制作中ですが、ケーデンスのパターン集も制作する予定です。
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ちょっと、面白い実験をしてみましょう。

「コード」とはあくまでも1拍、もしくは3拍めなどのベース音が何なのか?
だけを意味している、証明になると思います。

ペンタトニックだけを使った一例ですが、
メロディ担当である、リード奏者であるテナー吹きにとっては、
とても大切なヒントになるはずです。

和音として鳴らしている1拍ごとをコード表記すると、
いろんなコード表記になると思います。
が、メロディライン的には、どうでしょうか?

譜例を参考にしながら、
音源を聴いてみてください。


和音で弾くと、音のぶつかり合っている箇所もあり、多少無理な響きもありますが、
分散のようなメロディにして、おかしな、不協和な響きになっているでしょうか?

そんな面白い可能性がペンタトニックにはあるのです。
いわゆる「ペンタトニック」に聴こえないようにするための工夫も、いくつかあります。

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Tさん、Sさん、Dさんの組み合わせは、6通りあります。
キーCで列記すると、

CFG CGF FCG FGC GCF GFC

の6つです。

3度上と下にしたヴァリエーションも加えれば、相当に面白いメロディラインが天文学的な可能性として作り出すことも出来ます。

ブルースを土台にした、ジャズやフュージョン系のソロでは、
マイナーペンタ+#4を用いたフレーズがよく出てきます。

このスケールの構成音でできる3和音も、ノン・ダイアとニックなコードをたくさん作ることができます。

昨日の記事でも取り上げた
Good By Pork Hat や Moanin'といった曲は、このスケールをもとに作られています。



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Cのコードの、ド、ミ、ソの各音に

ドなら、レシド、レbシド・・・のようなターンを加えることも出来ます。
ミなら、ファレミ、ファレ#ミとか・・・

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カッコいい、フレーズ集のようなものを中心にやっていると、
一時は、いいのかもしれませんが、
「音楽の構造」といった、音楽の基礎的な構成といった視点が欠落してしまいがちで、
その、フレーズから離れることが出来ない!ような、ワナに陥ったりもするのです。

オリジナリティにあふれるメロディラインの構成!といった、
テナー吹きにとって、一番の魅力的な要素を、大きく阻害することにもなりかねません!



頭の柔らかい時点で、最初は大変かもしれませんが、
今回の記事のポイントをふまえた練習をすると、
そのとき、その場での、アイディアとしてのメロディラインが、
たくさん浮かんでくるようになるはずです。


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先日、Youtubeで、
「BMaj7は、絶対出てこないので覚えなくてもいい」という、
ジャズ・ピアニスト向けのレッスン動画を見ました。

たしかにジャズ系の曲は「b」系の曲が多いですが、
今の音楽の流れは「#」の多い楽曲が主流となりつつあるようなる気がします。

たとえば、今大ヒットしている「Lemon」をジャズ風でやろう!となったら、どうするのかな?

思いっきりBMaj7で終わっているようですが・・・

これも「ジャズ理論偏重」の弊害の一種だと思います。
音楽的な脳の使い方の出発点が、どこか違う気がします。

「この音は、これ」
「ここは、こう行くと、お洒落でカッコいい!」
という、名曲・名演を基礎とした、運指のポイント、歌い方のツボ、
テナーサックスらしい、音色等の演奏表現力を高めていくことの積み重ねが大切な気がします。


ジャムセッションに特化した曲しか吹けないのでは、
あまりにも寂しい!

あらゆる音楽ジャンルの楽曲にも対応できる「音楽の基礎」としての考え方、
その中から、自分らしいオリジナリティも自在に表現できるようになるためのノウハウの具体的な話しは、あまり聞かれない気がします。

とくに、「テナー吹き」にとって、の大切なポイントは、なかなか見当たりません。



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posted by happy_kin at 14:55| Comment(0) | 日記

2018年11月27日

ジャズ理論がダメ!な理由・・・ in札幌

最近のJ-popや、アニメソング、OSTなんか、
結構、楽しそうな曲がいっぱいあって、

テナーで吹いてもカッコよさそう!
吹いてみたい!
・・・という曲がたくさんあるのではないでしょうか?

一昔前の曲でも、いい曲がたくさんある。


昨日の記事、「曲」との関わり方でも書きましたが、
こてこてなジャズ理論をやっている人ほど・・・
こうした曲は、とっつきにくいものがあるのではないでしょうか?

U−Xとか、アヴァイラヴル・ノート・スケール、アヴォイドとか・・・

ジャズの曲でも、
たとえば、Good By Pork Hatのような曲だと、
きっと、わけがわからなくなるはずです。

譜面のリンク(inC)を貼っておきましたが、
Ebm-B13-EMaj7、って一体何?

F#m-B7-Eなら、U−Xでわかるけれど・・・

うん?「b」の数を見るとGbのようだけれど、
最終音(曲のキーを見分けるときのポイント)は?

テナー吹きだとFmですよね。

この曲をU−Xとか、各コードからスケールを導き出して・・・

たぶん、そんなことをしたら
頑張った割には、何か調子っぱずれな、
妙に難しく、抑揚がない・・・、
ような、傾向になりがち、ではないでしょうか?

ピアノの方でも、この曲以外にも、
たとえば「モーニン」のコードが、よくわからない・・・
という人も結構いるようです。

下手に、曲集のコードを律儀に弾かれまくると、
ソロを吹いていても、とても窮屈でわけがわからなくなることも、しばしばです。



J-popの曲とか、洋楽のたとえば、ビートルズの曲とか、ビリー・ジョエルの曲とか
スティービー・ワンダーの曲とか、カーペンターズの曲とかは、
どうやって解釈するのでしょうか?

ジャズ理論からは考えつかなそうな、
お洒落なコード進行が、たくさんでてきますよね。

クラシックの曲とかでも、名曲が、たくさんあると思うのですが、
こうした楽曲で、もし、2コーラス目はアドリブね!
なんて、話になったら、ジャズ理論を出発点にしたのでは収拾がつかなくなるはずです。

まず、紙と鉛筆を用意して、アナライズ・・・
なんて、どこか違う脳力を使っている感じがします。

巷に出回っているジャズ理論も、
書いた、その人が発見した音楽の原理や、その人の音楽観などではなく、
どこかからのコピペのような、使いまわしのような内容のものが、あまりにも多いのです。


そういえば、
この曲の作曲者であるチャーリー・ミンガスは、
「ある法則を発見した!でも、それは企業秘密だ!」
みたいなことを、いってました。

ミンガスのオリジナル音源のようなものと一緒に、
繰り返し、プレイ・練習したほうが、きっと得るものは多いはずです。

U−Xの発想、アヴァイラヴル・ノート・スケール、アヴォイドの考え方では、
ビ・バップの創始者であるセロニアス・モンクの曲はまず、対応不能です。

ビル・エバンスのようなピアニストのフレージングも、
U-Xの練習用題材となるようなものは見当たらないはずです。

曲全体の構成や、コーラスごとの展開、
ベーシストとの音の対話のようなサウンド世界観の素養を身に着けるための手段とはならないようです。

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以前の記事で「ジャズ音痴」といういい方をしましたが、
かなり、恐ろしい話しでもあるのです。

パラパラと音数多く吹いていても、
「何がいいたいんだい?」
と、いわれてしまいそうです。

こういう話しは、
お客さんや、周りの人、共演しているメンバーたちが、
「よかったよ!」と、褒めてくれても、
吹いている自分自身が、一番こたえている・・・
逃げ場がない!ような、ことであったりもするのです。


そのジャズ理論から来る、弊害・欠点のようなもの、
アルト的な奏法の延長のような吹き方でテナーを吹いてきた・・・、
その恐ろしいツケは、あるとき、突然やってくる!?

ちなみに、
オリジナル曲のようなものを作ってみて、
吹いてみたことはありますか?

・・・なんか、様にならない、
・・・憧れのプレイヤーだったら、もっとカッコよく吹けるんじゃないか?

スタンダード曲などでは、模範演奏があるから、
ある程度の演奏表現は出来るけれど、
まったくの「新曲」のようなものでは、太刀打ちできない・・・

これでは、正直、
とてもキツイはずです。

その完全修復ツールのようなもの、
その頓服のようなメソッドはないのか?

そういった、内容をテーマに、このブログでは、記事を書いてきております。

多少、修復に時間がかかるかもしれませんが、
その効果は上々のようです。

初心者、若い人たちには、
是非とも、このブログの記事をよく読んで、
自己観察力のようなものを身につけていって欲しいと、
心から願ってやみません。

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このマイケル・ブレッカーのソロ(2:38あたりから)は凄い音してますね。
フレージングのアーティキュレーションというのか、アクセントのつけかたとかも。。。

一日10時間近く、吹き込まないと、このような音にはならない気がします。


以前に比べて、首のあたりが、あまり膨らんでいないようですが、
それでも、楽器の鳴り方が半端じゃありません。
(アーニー・ワッツの楽器の鳴り方も、かなり強烈です。
スタンリー・タレンタインのソロが、わたしは超お気に入りです。)


練習時に、一体・・・
何を吹いているのでしょうか?

その練習方法の正体にも、迫って行きたいと思います。

の使い方しだいで、かなり肉薄できるかもしれません。
過去の記事にも、そのヒントを書いております。


思いっきり大きな音で吹いて吹いて吹きまくって、
いい呼吸法の感覚を、しっかりと身につけることが大切に思います。

「脱力」というのか、余分な力はすべて排除し、
呼吸法に基づく身体の使い方のようなものを体得する必要がありそうです。

個々のカッコいいフレーズを切り張りするような手法は、
良い結果にはつながらないようです。


この音数の半分、1/4くらいの音数でも、
曲の構成がしっかりわかっていて、
つむぎ織り成す音の道の意図をしっかりともっていれば、
相当にカッコいいプレイが出来るはずです。


わたしも、そんな野望(笑)を抱きつつ、
虎視眈々と、日々、腕を磨いています。


posted by happy_kin at 20:38| Comment(0) | 日記

2018年11月26日

「曲」に対する向き合い方 in札幌

今回は、テナー吹きの「曲」に対する向き合い方についての記事です。
少し、文章が長くなっていますが、とても大事なことを語ったつもりです。

何度も読み返すなどして、
自分のスタンス・方向性を整理してみることをオススメします。

わたしも、いまでも・・・
これからも・・・、
とても大切にしていきたい指針でもあります。

「曲」に対する取り組み方は、
長年、いろいろなプレイヤーに取材してきましたが、
どうも、これは各プレイヤーの「企業秘密」のようなのです。
(人に聞かれると気恥ずかしい面もある?)

かりにレッスンについたとしても、
自分のやってきたやり方とは違う、
オーソドックスな、広く一般に基本的なこととして定着しているような概念に基づいて、
レッスンのカリキュラムが組まれたりもしているようでもあります。

「教えること」のむずかしさの一つの現れ!なのかもしれません。

そうした背景から、
長年の経験と、観察と、研究と、カン!のようなものから、
一つの記事としてまとめたものです。

きっと、サックス以外の方でも、
大変に気になる、とても大事なテーマであると思います。

ここでは、「テナー吹き」向けに特化した立場で深く突っ込んで記事にしています。


どうも・・・、
学校や、先生に習う内容は、さまざまな音楽パート(ハーモニー担当者やベースライン担当者を含む)
音楽の一般概論的な知識にしかならないようなものが多く、
リード奏者すなわちテナー吹きに特化した内容でないものばかりのようです。

サックスの演奏技術を習う際にも、
どうも、いわゆる「サックス村」(怒られるかな?)的な、
他のパートからしたらオタク的な内容ばかりです。
「音楽の一般概論的な知識」とも、うまく、かみ合いません。

「課題のための課題」
「レッスンのための練習」・・・
といった、その空間でしか成り立たない・・・
通用しない・・・ような内容ばかりなのではないでしょうか?

言い方をかえれば「二度手間」な作業を必要とすることばかりなのです。
「二度」ですめば、まだいいほうでしょう。

ベルリンフィルのような超一流のオーケストラのひとり一人が、
卓越したソリストだ!と聞いたことがあります。
そんな人たちの集合体だからこそ、あのような凄いオーケストラサウンドが実現するのだ!と。

テナー1本で人に聴かせられる・・・!
そんな魅力的な、テナー吹きとしての存在感のようなノウハウはやしなえないのではないか?
と、つねづね疑問に感じてきました。

そうしたレッスン内容や、サックス関係の記事は、
目にしたことがありません。
(いきなり、その音楽ジャンルに特化した形のテクニック論で、中間がなく難しくなっている・・・)


サックス人生は長い!
デス。

後々、下手をすると邪魔になるような知識・技術の習得ばかり・・・、
これに気付いてからの修復・修正作業は生半可なことではありません!

たとえ「憧れの存在」「目標にしたい先生」に習ったとしても、
その人が、歩んできた道・やり方を教えては、くれません。

「基本的な考え方」という名目で教えられてしまうことも多々あるようです。
これは、「お金」では解決しない大事な問題でもあるのです。


習っている立場であれば、
つねに・・・

「それ、どこで使うの」
「今の自分の課題に、どう応用すればいいの?」
という、「疑問」をもつことは大切なのかもしれません。


しかし、あせる必要はありません。
しっかりと、地に足をつける形でポイントをふまえてやれば結果は必ず!ついてくるはずです。

自分が「邪魔だ!」と思うもの・・・
それに気付いた瞬間、早い段階から、「捨てる」勇気は、
とても大切なことです。


「疑問」に悩むことは、とても大切ですが、時間がもったいない。
それなら、スケール・パターンのような
「身体に覚えこます」練習時間を多く取った方が、
のちのち大きく変わってくるはずです。

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ここでの話しは、クラシック系の楽曲ではありません。
クラシック系の楽曲を始めるのは、
そのスタート年齢が、他の楽器に比べて、サックスの場合・・・
あまりにも遅い!傾向があります。

それでも、
サックスは、「カッコいい!」

まだまだ未開発な要素・可能性も多分にある・・・

そんな魅力が、あふれる楽器です。
その誇りは大切にしたいものです。

クラシック系の楽曲に取り組むのであれば、
「人前で聴かせる」目的ではなく、
自分の音楽、テナー吹きの肥やしとしては、
随時、課題曲を決めて取り組む必要はあろうかとは思います。

自分のテナーサウンドが、より一層、豊かなものにもなります。

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「曲」との向き合い方!

前置きが長くなりましたが、本題に入ろうと思います。

「選曲」の仕方ですが、
「名演・名曲」と呼ばれるものの中から、自分が気に入った曲を選びましょう。
わたしは、ジャンルは関係ない!
と思っています。

その詳細につきましては、この章の最後に、詳しく述べたいと思います。

いかに、その曲に対する「オリジナリティ」な表現ができるかがカギになります。
そのイマジネーションを拡げていく作業の積み重ねとなります。

「楽器を吹き込む!(=いい音を出すための必須条件)」時間との兼ね合いも大きく影響しあいますから、
日々の時間配分が、とても大切になります。

音感と運指が連動してくれば、
この手間もグッと短縮でき、効率的な練習が出来るようになるはずです。


● まず、選曲したその曲のメロディを歌ってみる。
「歌って、吹く」を繰り返す・・・、ことです。
そこで、自分のVoice(声域)を確認することが大切です。

たとえば、
ソニー・ロリンズとスタン・ゲッツでは声域が違うし、
デクスター・ゴードンとスタンリー・タレンタインでも声域は違う。
マイケル・ブレッカーやジョン・コルトレーンとも、声域や声質・音質が、まったく違います。

ここでいいたいことは、
「自分の歌いやすい音域」を見つけることの重要性についてです。

その自分に合った音域を「ベース(土台)」にして、
自分が歌いたい(歌では歌えない)音域は・・・「楽器(道具)」を使って、カッコよく決める!
という発想です。

「テナーの巨人」と呼ばれる人たちが同じ曲を取り上げても、
曲のキーが違う!といった最大の理由もここにあります。

日本では通常行われているキーを変えると嫌がるリズムセクションの人々も少なくないですが、
向こうのミュージシャンではそんなことはないようです。
それだけの耳・技術を持っている!ということなのですね。
「音楽の基礎」とする、音楽の学び方、出発点が違っている!ことの一つの現れともいえます。


「歌って、吹く」に話しを戻しますと、
歌った音と「運指」との確認作業を行います。

そして、その曲のキーを確認し、
トニック、サブドミナント、ドミナントの響きも、随時確認します。

キーを決める際には、
・自分の出すテナーのサウンドで「いい音」の出る音を中心にする。
・耳馴染んだ曲のキーを採用する。
・・・といった、アプローチの仕方も、あるのかもしれません。


自分の模範とすべき演奏をyoutube等で、徹底的に探す・・・。
そんな、出会いを大切にすることも、初期段階のみならず重要なことだと思います。

● 出来るだけ、「脱シートミュージック(楽譜にたよらない)」をめざす。
好きな歌手の歌い方をコピーする。
歌詞の世界観を大切にする、なりきる!
「歌詞」の内容についてはつい軽視されがちですが、
長くやればやるほど、その重要性に気付かされるはずです。

● バックで流れている「オブリ」のような、いろんなラインもコピーしてみる。

メロディの隙間に合いの手を入れるような、ものです。
イントロや、エンディングのフレーズもコピーしてみる。


● ストリングスの白玉(全音符のようなもの。ガイド・トーンという)や、
ベースラインもコピーしてみる。

聴き取れない場合は、曲集などに付記されたコード等を参考にしてみる。
市販のものの方が比較的しっかりとしたコードがつけられているが、
曲集がない場合はネットで「曲名(英語表記など)」+「PDF」や画像などで検索をかけると結構ヒットする。

● コードをピアノ・キーボードで響かせながら歌ってみる。
メロディや、コード・トーンに関連する音をガイドに、
「音の旅」をする遊び心で、いろんな音へアプローチしてみる。

アドリブなどでは、メロディの譜割りを変えてみる・・・
ガイドトーンとガイドトーンの間をつなげるのに自然にサウンドする音(スケールなど)を割り出してみる。

● イントロからエンディングまで、一人で「テナーソロ」で吹けるようにする。
(何度も、何度も・・・!
「1001」の意味は1001曲ではなく、最初は、それくらいやれ!という、回数を意味する数字だと思います)

・・・といった感じです。

最初は、自分が吹く全体を通してのメロディラインを、
「譜面化する」、「覚える」などして繰り返し練習することをオススメします。
その積み重ねが、かけがえのない「財産」となって育まれていくはずです。

その演奏を録音して、自分の出来映えをチェックすることも、とても大切です。

「作曲」に挑戦することも、音楽性と演奏技能向上にはとってもよいようです。

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スケールに関しては「ここ」を参照してみてください。
メジャースケールは、「ここ」です。


「1曲」だけではなく、「テーマ」を決めて、
数曲選んで同時進行したほうが良さそうです。

基本は「ブルース」です。

ここでいう「ブルース」とは、
トニック・サブドミナント・ドミナントという楽曲のハーモニー構成がバランスよく構成されている・・・という点です。

12小節だから・・・、
ブルーススケールを使うから・・・、
「ブルース」・・・

という、ある限定的な一つの音楽スタイルといった発想は卒業しましょう!


いわゆる「ブルース」のハーモニー構成がシャッフルされている曲だったり、
4ビート、8ビート、ラテン系、3拍子系などのリズムパターンの違い、
バラード、ミディアム・アップテンポなどの違い・・・

・・・といった視点で、自分の得意分野を見つけ伸ばしていくことも、
とても大切です。


これらの要素も、実際に出す「一音」で決まってしまいます。

「カッコいいテナー奏法」を初期段階の早い段階でマスターすることを強くオススメします。

そのほうが、吹いていて楽しいはずです。
飽きないはずです。
「テナー吹き」ならではの、アイディアもたくさん湧いてくるはずです。

(※テナー奏法に関しましては、過去の記事をご参照ください)


たとえ、バラードの曲であっても、テンポを倍にしてみる・・・とか、
4ビートの曲でもシンプルな8ビートの3和音構成にしてみるとか、
お決まりのスタイルだけで、やっていても過去に素晴らしい名演がたくさんあるので、
なかなか、独自のスタイルを見出すためには良いヒントが見出せるかもしれません。

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なんだか、地道で大変な作業ですね。
最初は、結構、根気がいるかもしれません。

「音楽を好きになること」
「楽しくて夢中になれる要素」
などを、発見すること、その歓びが、長く続ける大切な要因となる気がします。


U−X−T進行、ダイアトニックコード、アヴァイラブル・ノート・スケールなどの説明、アヴォイド・ノートなどに特化した学習法は、歴劫修行(りゃっこうしゅぎょう) の要素が強いので、
初期段階では真剣に取り込まない!はまり込まないこと!を、オススメします。

・・・これらは、上記のプロセスが十分に出来た段階で左脳を整理する、新たなアイディアを欲する・・・様な場合にのみ用いるべきです。
好奇心が旺盛で、自らが心から欲するような感覚がない限り、やってはいけない!
と思います。

はっきり申し上げて、
これらは、音楽とは正反対的な、教えるための「ノウハウ」といった色彩が強すぎるのです。
教えるための教材として体系化されたもの!
と思ったほうが良さそうです。

悪くいえば、教える側の「商売戦略」を体系化したものなのです。

やり方によっては、いくらでも「ダメだし」できるし、
なにか、受験勉強的なプロセスのようにも感じます。

長いサックス人生!
後々に、響いてくる・・・ことでもあるのです。

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最後まで、お読みいただいた方へのオマケです。

エチュード用に採譜したのですが、
もう指が回りません・・・

1曲目は
ABLUTION・・・All the things you areのコード進行です。

2曲目はラテン
7 Anéis・・・とってもいい曲です。
Tico-Ticoに対抗しようと思ったのですが・・・

こういうのをエチュード代わりにするのも楽しくていいですよね。
ブルースなどのリフものも、
根性がある方は12Keyで。。。???

posted by happy_kin at 13:05| Comment(0) | 日記

2018年11月25日

これからの、カッコいいテナーサックスとは? in札幌


マイルス・デイヴィスはバップが不適合で、あまり上手くいかなかったという。



デヴィッド・サンボーンもコピーが苦手だったとか。

そう考えると、少し、
かなり、ワクワクしてくる。

「今までの伝統や、今の流行と違う何か」
は、十分に可能性があるということである。

その音楽の原理・法則性については、いままで記事にもしてきた。
それ以上のことを語ると、発見の楽しみもなくなる。


わたしも、どうもバップ系は苦手のようである。

「音が輝かない」・・・
感じがする。

「音が弾けてこない」・・・

共演者が見つからないためについやってしまう、4ビート!
というような、現状による影響の方が大きいのかもしれない。

でも、音楽はスタンダード中心のジャムセッションのようなものだけではない。

4ビートが苦手というプロの人も少なくはない。

「これからの、カッコいいテナーサックス」というテーマで、
わたしも、一つの区切りをつけようとも思う。

この動画で、あるヒントを、教えてくれている気がする。


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「苦手は追わない」
なんか、大切なことのような気もする。

「やりたい!を磨く」ことと、
「苦手に執着すること」とは違う。

音楽の原理、法則、基礎などを、しっかりとふまえた上で、
自分の感性を信じること!
「自分の好き!」を磨くこと!
が、何よりも大切なことだと思う。

自分が
「いいなぁ」と思い、感じたことからだけからは、
決して、逃げずに!・・・ね。

時間がかかってもね。。。


テナー吹きは、「リード奏者」である。
「カッコよく決める」権限(笑)が、テナー吹きにはある!

と、みなさんも思ってやって大丈夫だと思います。
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posted by happy_kin at 08:48| Comment(0) | 日記

2018年11月22日

サックスに挫折したときに! in札幌

サックスに憧れて、はじめてみたものの・・・

むずかしい楽器ですよね。

いい音が出なくて・・・、
いまやっている吹奏楽の曲がむずかしくて・・・、
ピッチがひどくて・・・、
指が回らない・・・、
タンギングが上手くいかない・・・、
上手い人のプレイをみると落ち込む・・・、
全然、上達している実感が湧かない・・・、
自分って才能がない?
新品の楽器買ったけれど調子がよくない・・・、
レッスン課題についていけなくて・・・、
腱鞘炎になってしまって・・・、


いままで記事にしてきた中でも、
これらのテーマについても、色々と語ってきたつもりではある。

でも、サックスのノウハウについて書かれた記事を読むのと、
実際にやってみるのとは、えらい違いがある。

他ならぬ自分自身である。
「絶望」のような、
「諦め」のような、
自分自身への悟り・・・じゃないけれど、
楽器をケースにしまいこんだまま・・・という人もいるのではないだろうか?

・・・でも、もしかして、
しばらく吹いていなかったとしたら、
ラッキーかもしれない。

前にも記事にしましたが、
久しぶりに吹くと、「いい音」になっている!?
ってことが、わたしの場合は少なくありませんでした。

以前、散々苦労して出来なかったことが、
「あれ?出来てる!」
「なんか、いい音してる!」

ってことが、結構あったのです。

余分な力が抜けたからか、
脳内のシナプスが自然と形作られれ整理されたからなのか?


わたしの場合サックスで行き詰まった場合、音楽以外の、
たとえば、将棋のプロ棋士や、プロ野球の名選手、名監督から、
いつもパワーをもらっていた。


手が凍傷になって、まったく動かなくなってから、
指のリハビリにも随分取り組んで、いくらか動くようにはなってきたが、
やはり以前のような動きには程遠い。

オイルをささずにサビついたチェーンのように
ギイコ、ギイコとした感覚と、
脳の指令が指に伝わらないことが、しばしば起こる。


でも、人間って50歳を過ぎても、進化するんだな!と。

指が動かなくなった分、
音色の表現や、高音域・・・といった
一音一音、説得力のあるサウンドを出そうと鍛錬をしたところ、
ドンドン可能性が広がってくる嬉しい感覚がある。

「テナーのカッコいい吹き方!」
たとえば、
グロウトーン、フラジオ音域の拡大〜ヒット率、
スラップタンギング、ノンブレス・・・

いままで、おぼろげだったものも、
指が動かなくなったおかげで、数段、その精度が上がった。


王さんって、ホームラン30本で引退したんですよね。
年間30本で!

野球などの引退年齢は早い。

でも、サックスや音楽は、
やり方によっては、ドンドン進化していくジャンルのような気がする。

加齢による、限界はない!!

もちろんだめな部分はある。
若い頃よりも、時間がかかりすぎてしまうことのほうが多い。

でも、「努力」は裏切らない!
っていうのは、本当のようだ。

50歳を過ぎても・・・
裏切られることがない。


きょうも落合さんのトーク動画をYoutubeで見て、
勇気をいただいたところです。

頑張ってできなくても
「時間の無駄」ということはない。
必ず、何かしら得るものがある!

と、語っていた。


いまのわたし、
ものをつかんだりする距離感が、どうもおかしかったり、
パソコンのキーボードも、頻繁に打ち間違えるようになってしまった。

自然と打てたものが、違うキーを打っていたりで、
記事を書くのも、ミスタイプの連続である。


でも、
サックスに関しては、日々、
進化している・・・、

指が動かなくても・・・、
その可能性は、日々、進化・向上しているようだ。

それは、
今まで記事にしてきた、
「カッコいいテナーの吹き方」を土台にしているからだ・・・、と思う。

吹いていて、本当にラクなのだ!
テナー表現の音色のようなものが、際限なく広がり行く!
ような、感覚に立てたことが、何より、嬉しくもある!


posted by happy_kin at 22:10| Comment(0) | 日記